Classici giapponesi con furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate
「では、どうぞ。」
隣室に通された。がやがや騒いでいたのに、僕がはいって行ったら、ぴたりと話をやめて、五人の男が一斉に顔を挙げて僕を見た。
五人の男が一列に、こちら向きに並んで腰かけている。テエブルは三つ。みんな写真で見覚えのある顔だった。まんなかに坐っている太った男は、最近めっきり流行して来た劇作家兼演出家の、横沢太郎氏にちがいない。あとの四人は、俳優らしい。入口でもじもじしていたら、横沢氏は大きい声で、
「こっちへ来いよ。」と下品な口調で言って、「こんどは多少、優秀かな?」
他の試験官たちは、にやりと笑った。部屋全体の雰囲気が、不潔で下等な感じであった。
「学校は、どこだ!」そんなに威張らなくてもいいじゃないか。
「R大です。」
「としは、なんぼ?」いやになるね。
「十七です。」
「お父さんのゆるしを得たか。」まるで罪人あつかいだ。むかっとして来た。
「お父さんはいませんよ。」
「なくなられたのですか?」俳優の上杉新介氏らしい人が、傍から、とりなし顔にやさしく僕に尋ねる。
「承諾書に書いてあった筈です。」仏頂面して答えてやった。これが試験か? あきれるばかりだ。