Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate

Aozora Bunko

固パン

1

竹さんのおかげで、僕の胸底の純粋の玉が、さらに爽やかに透明なものになったような気がした。

君、正直な人っていいものだね。単純な人って、尊いものだね。僕はいままで、竹さんの気のよさを少し軽蔑していたが、あれは間違いだった。さすがに君は眼が高い。とても、マア坊なんかとは較べものにも何も、なるもんじゃない。竹さんの愛情は、人を堕落させない。これは、たいしたものだ。僕もあんな、正しい愛情の人になるつもりだ。僕は一日一日高く飛ぶ。周囲の空気が次第に冷く澄んで来る。

男児畢生危機一髪とやら。あたらしい男は、つねに危所に遊んで、そうして身軽く、くぐり抜け、すり抜けて飛んで行く。

こうして考えてみると、秋もまた、わるくないようだ。少し肌寒くて、いい気持。

マア坊の夢は悪い夢で、早く忘れてしまいたいが、竹さんの夢は、もしこれが夢であったら、永遠に醒めずにいてくれるといい。

のろけなんかじゃあ、ないんだよ。

十月七日

固パン

1

拝啓。ひどい嵐だったね。野分というものなのかしら。これでは、アメリカの進駐軍もおどろいているだろう。E市にも、四、五百人来ているそうだが、まだこの辺には、いちども現われないようだ。