Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

川原の花

と、謙信は、さっさと自分から対談を切上げて、傍らに控えていた老将に何やらいいつけると、後方の幕を揚げて、仮屋のうちへかくれてしまった。

客迎えの和田喜兵衛、老将の旨をうけて、残された使者を、幕囲いの外へ誘い、べつな仮屋に席を設けて、酒肴をもてなした。

「主君謙信公からのお心づけです。陣中、何もありませんが、ほんのお弁当がわりに」

こういう中の使者に対して、行届いたことと感じながら、伝右衛門は杯をうけた。喜兵衛は、白木の折敷に肴を取り分けて、

「ただ今、鬼小島どのを、これへ呼んで参りますから、悠々おはなしを」

と、会釈して立去った。

川原の花

折敷の上の肴を見ると、この辺の川魚や蔬菜ではない。越後の海の物だ、また雪国の珍味だった。酒はもちろん清酒ではない。しかし甲斐や信濃のそれとは比較にならないほど香りが佳い。――こんなものまで携えているようでは、兵糧の荷駄にもおそらく莫大な量を積んで来ているにちがいない。

伝右衛門はすぐそんなことを考えめぐらしていた。そのうちに、鬼小島弥太郎が、ただ一人で接待に来た。

「ここでは、どうか御遠慮なく、おくつろぎ下さい」

弥太郎はまず自分から打解けて見せた。