Classici giapponesi con furigana
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
君と我とは
ただし先の欠乏につけこんで、暴利をむさぼる惧れがある。価格はすべて越後値段に限ることを厳命し、平価をこえることなきように致せ」
君と我とは
国境をこえて、限りなく塩が入って来たという。
甲州の百姓は生色をとり回した。町々はどよめいた。商賈は眼の色を変えて塩を頒け歩いた。塩を見たものはその白いものを一握り握ってみて、
「ありがたい」
と、涙した。塩を拝んだ。
郷社の神前にも、塩があげられた。煌々と神灯がついた。
――こういう状況をつぶさに聞いては、躑躅ヶ崎の館にあった信玄も、眼を熱うせずにいられなかった。が、彼は、
「……そうか」
とのみで一言もまだそれに就いての是非、感激をも、また批判をも口から吐かないのであった。
「……?」
むしろ彼は初めのほど、苦痛に似た顔つきをあらわしていた。次に懐疑的に見えた。ちょうど、過ぐる永禄四年の大戦に、謙信が捨身の戦法に出て、その不可解なる妻女山の陣をながめたときのように、信玄は心の霧につつまれていた。
そこへ、一書が到着した。
春日山の謙信からである。なお信玄は多分な疑惑をもちながら、その書簡を披いた。
書は簡単であった。