Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
窮鳥
平易に申せば、身ひとつに文武ふたつをあわせ持つこと。至極やさしい。しかし難しい。――いうことだけは謙信にもいえるが、さて、行うとなるとだな。……ははは」
おおらかに一笑すると、短檠の灯までが華やいだ。折ふし近習がそれへ供えた麦菓子をひとつ摂って、茶をふくみ、寛いだ客あしらいを見せて、やがて彼のほうから訊いた。
「ときに、折入って、こよいは何事のお越しかの。承ろう。義清どの、ちと、お顔いろもすぐれぬようだが、何とせられたか」
窮鳥
義清はうなだれた。落涙している。
「…………」
燭は白々と主客の沈黙を照らし、庭のしじまをゆく泉の音がせんかんとその灯を湿らせてくる。時折、時雨かと思うばかり木の葉が大殿の廂を打った。
「思い極めて参りました。義清のねがい、甚だ身勝手にござりますが、お聞き届け賜わりますように」
平伏していう。
そしてなお涙しているらしい。
謙信には思い当ることもないようであった。小首を傾げて聞いていたが、一体、そのねがいとは何かと、再び義清に訊ねた。
義清は、流涕を拭って、漸く、容を正し、謹んで今日までの恩遇に謝してから、こういった。
「どうか、九年前に、私から御当家に対して、お縋り申したお頼みの一条は、取消していただきとう存じます。