Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
「おう、そこにおいでですか」
先に、諸方の味方へ、総引揚げを伝令しに行った大国平馬や市川主膳など、前後して、彼のそばへ戻って来た。
なお佇んでいるうち、高坂隊の先手を防いで、ようやく血路をひらいた鬼小島、永井、竹俣など数名も、朱にまみれたすがたをもって、ここに寄り集まった。
十人、二十人と、ぼつぼつ他の味方も寄って来る。しかしその兵種も所属も雑多だった。それを見ても、いかに味方の主力も各隊も寸断され、各※(二の字点、1-2-22)いるところに苦戦して、全面、混乱に陥入っているかが察しられるのだった。
水淙々、風蕭々、夕闇とともにひどく冷気も迫って、謙信の胸は、なお帰らぬ麾下の将士のうえに、傷み哀まずにはいられなかった。
「新発田尾張、新津丹後。また本庄越前、北条安芸などはいかがいたしたか。柿崎は首尾よく退口を取ったであろうか。直江は……」
鬼も挫ぐ軍神とも見えたその人が、薄暮の野を見まわして、われともなくそう呟いているすがたは、まるで帰らぬ子を門辺に出て待っている母のように他念なかった。
「だいじょうぶです。お案じには及びませぬ」
大国平馬が力づけていう。