Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
「妻女山より加勢の敵は、何分大兵、それに新手、一概には支えかねおりますが、お味方こぞって、徐々と、この犀川、丹波島の此方へさして引揚げておりまする。――すでに、お館のなおこの辺に踏み止っておわすとは知らず、犀川を越えて、遠くうしろに退きとっている部隊もあるかと存ぜられます」
平馬のことばに従いて、人々も口をそろえて謙信にいった。
「無数をもって、ここにおいで遊ばすことは、かえって、味方の集合に、惑いを生じさせているやも知れません」
「すこしも早く、犀川をお渉りあって、無事の地へ、お退き遊ばされますように」
「ここにおわしては、いつふたたび御危険が迫らぬとも限りませぬ」
謙信は、諫めを容れた。さらばと、川を渉るべく、河原へ駒を向け直した。
ここ丹波島とよぶ洲の上流には、駒の脚も立ち、人間が徒渉しても、首の根ぐらいまで水に浸れば渉れるところもあったが、ここから下流の方は、断然深い。
千曲は流れもゆるく、瀬も浅いが、犀川はそれに較べるとはるかに奔激していた。この川すじの水量が最も浅く涸れるのは、真夏の七月が頂上である。九月、十月となれば、山岳地方の雨期となって、たちまち四、五尺ほどの水量は増してくるのが例年の実状であり、殊に丹波島から下流の方では、人間の徒渉できる程度の浅瀬は一ヵ所もない。