Classici giapponesi con furigana
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
登る妻女山
も充分考慮されていることはいうまでもない。
部下を四、五名連れて行った。
その中には、味方の誰かが率いて来た初陣の息子でもあろうか。まだ十三、四歳にしか見えない少年武者もひとりいた。その小童は、柄の長い日傘を携えて、伝右衛門がやがて陣地を離れて、千曲川の岸まで来ると、ぱっと、日傘をひらいて、主人の頭上に翳し懸けた。
この傘は決して無意味な行装ではない。
軍使の川渡りは、船中、傘をさすことが、国際法に約されているのである。傘を開いて渡って来る舟には決して弾や矢も放たぬことになっている。
田船を大きくしたような底の平たい川船は、いま、その日傘をさし懸けた小童とその主人と、わずかな部下を乗せて、千曲川の北岸から此方へ棹さしてきた。――迅い水流を切っては、あざやかに棹を突いて船をすすめてくる兵の上に、赤とんぼが戯れていた。棹の端に止まったり、離れたりして――。
登る妻女山
「おっ……敵方から?」
「軍使が見える。軍使だ」
妻女山の一端に立って、絶えず対岸を監視していた物見の小隊は、こう物珍しげに、手をかざしていた。
鬼小島弥太郎は、この辺に屯している兵七十人の組頭だった。