Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
彼女は、向い合って腰かけていたのを立って、母の膝の下に、絨毯の上に坐った。そして、なだめるように、自分を理解させようとするように云った。
「ね、母様、それじゃ一つ佃という人間を離れて見てちょうだい。どっか母様の知っていらっしゃる人の中で、私が愛してもいいとお思いなさるような人があること? これまで私の囲りにあらわれた人と、一人でも自由に交渉させていいとお思いになったことがあって? ないでしょう。どんな人だって、その人が私と深い交渉を持ちそうになると、母様の目には価値ない者となってしまうんですもの」
「……大変な悪婆ですまないね」
ふいと傍を向きそうになる手をつかまえ、伸子は、
「そんな意味じゃなく、さ!」
と云った。
「母様は大体、公平に云って、一種の理想家すぎるのよ、私のこととなると。――ね? 私の仕事とか成功とかについて、どんなに御自分が沢山の希望をかけていらっしゃるか――それは考えて下されば分るでしょう? 母様は、ある点で御自分の生活ではできなかったことを、私にさせたいと思っていらっしゃるのよ、ね? そうでしょう?」
「それはそういうところもあるだろう」