Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
「ねえ母様、杉苗だって大きくなれば別に離れて育つでしょう? その通りよ、人間の生活も――ね、何年か後に、きっと母様は、私がこんなに強情に云い張ったよさがお分りになってよ。私だって訳なく強情は張らないつもりよ」
傍にいた弟や妹は、一人立ち一人立ちして、部屋を出て行くのであった。
母は、その間にも、法律上佃を入籍させる準備をしていた。伸子はちっとも知らなかったが、机の前にいると、
「お呼びでございます」
と女中が来た。
「なあに」
多計代は、憤って、何も手につかない風で坐っていたが、
「佃という人は、恐ろしい男だね」
と云った。
「どうして」
「どうしてってお前、あの人はちゃんと、養子になれないのを自分で知ってかかっているじゃないか」
伸子は訳が分らず、黙りこんだ。
「この間父様が、会で井田さんにお会いなすったんだとさ、それで、佃を入籍させるについて、いろいろ相談しておおきになったら、昨日、戸主は養子縁組が、法律上出来ないことになっているって、返事があったよ」
佃は、岡本の二男であったが、遠縁の佃の名跡を継いでいたのであった。
「本当にね、つい忘れていたわ」
「まあまあお前はそれでさぞ安心だろうが、私達こそいい面の皮さ、佃さん腹んなかで、さぞ可笑しくておいでだろう」