Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
――こないだのだけじゃあ、まだフィルムがあまってたもんだから」
「どれ……拝見」
「これが大学で撮ったの」
つや子が、兄とふざけて、笑いながらこちらを向いて来るところを、不意に撮ったと見え、手脚の動きが律動的で美しく見えた。
「これがこないだの。元ちゃんが少し動いたんでぼやけちゃった。――姉さん一人の方がいいや」
「そう?」
伸子は、セピアにやきつけた一枚を渡された。印画としては綺麗に仕上っていた。けれども、最初の一瞥で、伸子はその写真が、自分に相違ないのに、すらりと承知できかねる変な感じを受けた。自分と思っていたのとはどこか違うものが、正面を向いて両手を束ねた顔に漲っていた。こんな太い縦の陰翳が、二本も、もとから自分の眉の上にあっただろうか。老けた、複雑な、険しい顔つきであった。それだのに、口許ばかり、穏やかに穏やかにと、取繕われたような微笑があって、醜い顔であった。
「私の顔本当にこんな?」
ききたいぐらいであった。
伸子はつくづく自分の顔を眺めた。
いつまでも黙っているのを、和一郎は、写真に不満なのだと思ったらしい。彼は弁解的に云った。
「もう少し、全体濃くてもよかったな、この次、またやきなおして上げましょうね」