Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate

Aozora Bunko

木鋏で刈りながら、伸子は祖母といろいろなことを話した。

「これからはなかなかいそがしいごんだ。茶はつまなけりゃならないし……なじょなわけか、茶を拵える男が年々減って、銭を出してもはあ来てがないから、来年はもう、茶は製しないかも知れない」

「楽しみでもないんならおやめの方がいいわ、どうせ、手間をかけるだけたくさんもとれないんでしょう」

縁側にぺしゃんと坐って、胡桃をむいているおとよさんが口を出した。

「御隠居さん、そりゃお気をおもみなさるんでね、はたでお気の毒でございますの」

「呑気に遊ばせよ、もうおばあ様なんか、いろいろの楽しみだけを仕事になさっていいお年よ」

祖母は少し太い小枝を挾み当て、弱々しい腕に力を入れやっとはさんで、答えた。

「空家のようにしては置かれまいっちぇ」

「――東京へいらしちまえばいいわ、何も世話なんかなさらないですむから……いい御隠居所になってよ、小ぢんまりした。――今度私と一緒にいらっしゃい」

「……ふむ」

祖母は考えながら、おとよさんに経木の鍔広帽を出させた。

「日がてりつけて禿があついごんだ。――お前たち、二人で住めばよかろ」

伸子は離れて、自分の刈った楓の枝ぶりを眺めた。