Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate

Aozora Bunko

平常ミス・プラットはよく気のつく人だ。それを思うと伸子は神経的に居心地がわるくなって来た。彼女は腕を組んで、質問をするように自分の脱いだ外套や帽子を見下して突っ立った。……

そう云えば思い当ることがなくもなかった。

十日ほど前のことであった。稽古の後で、ミス・プラットは誰からきいたのか、

「あなたこの頃始終佃さんと御一緒ですって? そうですか」

と訊ねた。伸子はそうだと答えた。

「佃さんは以前高崎さんにも大層親切にして、一緒にいろいろしていらしったようですよ」

ミス・プラットの話しぶりに何か暗示らしいものがあるのを感じ、伸子は単純に答えた。

「そうでございましたって。――彼からききました」

「元――西部の大学にいた時にも、何か婦人のことで面白くない事件があったんですってね――まあ謂わば紳士としての体面を失うような――この間そんな話をひょっとききましたよ」

「あああの話でしょう? 夜何処かで話していた女の人を、警官が誤解してどうとかしたという……」

ミス・プラットは、

「佃さんが話しましたか」

とやや予想外らしく云った。

「ええききました。――でも、なぜあなたにそんな他人の噂を喋る必要があったのでしょう」