Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

「斎藤さん、ドアに鍵をかけて置いて下さい」

廊下に出ると、明智が声を低くしていった。

斎藤老人は、明智のいうがままに、書斎のドアに、外から鍵をかけた。つまり、その部屋の中へ、目に見えぬ何物かを、閉め込んだ形である。

「その鍵を暫く僕に貸て置いて下さいませんか」

明智がいうので、老人は鍵を渡しながら、けげんらしく尋ねた。

「一体、どうなすったのですか。私共には、ちっとも訳が分りませんが」

「三谷さん、あなたも、何も見なかったですか」

明智は老人には答えず、三谷に尋ねた。

「電燈が消えたのですから、見える筈がありません。何事が起ったのです」

三谷も不審顔だ。

「僕は、今度の事件の謎を解く鍵が、この部屋の中にある様に思うのです」

明智は意味ありげな言葉を漏らしたのみで、多くを語らなかった。

やがて、三人は、階下に用意された食卓についた。主人役は倭文子だ。茂少年も彼女のそばに腰かけた。

食事中別段のお話もない。誰も、いやな犯罪事件について語ることを、避けるようにしていたからだ。

ただ一つ、書き漏らしてならぬのは、明智が「先刻停電があったか」とたずねたのに対して、倭文子も召使達も、「一度も電燈は消えなかった」