Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

逃亡

入って来たのは、明智の助手の文代さんを先頭に、殺されてしまったとばかり思っていた、畑柳倭文子と、茂少年であった。

逃亡

その時の谷山三郎の驚愕と憤怒の形相は、見るも無慙であった。

無理もない、たとえ吸血鬼のような悪魔にもせよ、兎も角も兄の敵を討つ為めに、苦労に苦労を重ねた上、ついに最後の目的を達したと信じ切って、得々としてその巧妙な殺人手段を見せびらかしていた時、殺してしまった筈の、当の敵の倭文子が、生きて彼の目の前に現れたのだ。

冷蔵庫の中のように冷々とした製氷室であったにも拘わらず、玉の汗が、彼の青ざめたこめかみをツルツルと流れ落ちた。血走った目は、倭文子の顔を凝視したまま、ガラス玉のように動かなくなってしまった。かわいた唇をブルブルとふるわせて、何事かいおうとするけれど、声さえも出なかった。

今這入って来た倭文子はと見ると、なき谷山二郎に対する、罪深い仕うちを恥てか、しょんぼりとうなだれて、消えも入りたい風情に見えた。

「明智さん、君はいつの間に、この魔術を行ったのです。君は実に恐ろしい人だ」

恒川氏は、驚嘆の声を発しないではいられなかった。