Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
妖術
妖術
月光に照らされて、倒れていたのは、小間使のお菊だ。えたいの知れない殺人魔は、矢継早に、第二の犠牲者を屠ったのであろうか。
書生は気味悪がって、たじろいでいる暇に、事に慣れた恒川警部は、いち早くお菊の側に駈け寄り、上半身を抱き起して、大声に名を呼んだ。
「大丈夫、御安心なさい。この人はどこにも傷を受けていません。気絶したばかりです」
恒川警部の言葉に、一同ホッとして、近々と小間使を取囲んだ。
やっと意識を取戻したお菊は、暫くあたりを見廻していたが、やがて何か思出した様子で、その青ざめた美しい顔には、何とも言えぬ恐怖の表情を浮べた。
「あれ、あすこです。あの茂みの中から覗いていたのです」
彼女が、さも恐ろし相に、震える指先で、真暗に見える木立の蔭をさし示した時には、屈強な警官達でさえ、ゾッと、襟元に水をかけられた様な感じがした。
「誰です。誰が覗いていたのです」
恒川氏が、せき込んで尋ねた。
「それは、あの、……アア、わたし怖くて、……」
青白い月光、真暗な木立、怪物の様な物の影。その恐ろしい現場で今見たものの姿を話すのは、余りに怖いのだ。
「怖いことはない。