Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

海火事

だが、それは不可能だ。人形が繩を切る筈もないし、現に賊が、風船の下でもがいているのが、見えている。ロボットでもあるまいし、人形があんなに動けるものか。

海火事

二人は顔を見合わせて、何ともいえぬ苦笑いをした。

「僕はどうかしているね。あいつは何だか苦手だ」

恒川氏は、ちょっと恥かし相にいった。

人形でないことは分り切っている。それを「若しや」と思うのは、相手を恐れているからだ。鬼刑事の名に恥じなければならぬ。

隅田川の川口を離れる頃には、追手の船は、警察ランチ一艘ではなかった。

町で泥棒を追駆ける時、必ず弥次馬がついて走る様に、水の上でも、弥次舟が、どこからともなく現われて来て、ランチと先を争う様に、賊の風船めがけて、波を切る、三艘のモーターボートがあった。

その内、一艘は、競争用の舟と見えて、形も小さく、速力が馬鹿に早かった。さすが警察の快速艇も、この小型ボートには及ばず、見る見る抜かれて行った。

ボートの中には、一人の黒い洋服を着た男が、まるで競馬の騎手か、自転車競争の選手みたいに、猫背になって、ハンドルの上に、かがみ込み、傍目もふらず、前方を見つめていた。