Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
男も女も、首が放れてしまう程、深い斬り傷を受けて、その傷口がポッカリと、物凄く、口を開いていた。
目は、恐怖の為に、眼窩を飛出す程も、見開かれ、口からは、夥しい真黒な血のりが、顎を伝わって、胸まで染めていた。
「何でもないんですよ。あの男、まるで子供みたいな悪戯をするじゃありませんか」
三谷がいうので、倭文子は怖いもの見たさに、また近寄って、不気味な姿を覗き込んだ。
「でも、なんだか変ねえ。こんなにキチンと腰かけて殺されているなんて」
いわれて見ると、なる程変だ。惨死体の写真は、戸板の上かなんかに転がっているのが普通なのに、この死体は、生き人形みたいに、行儀よく椅子に腰かけている。首を斬られながら、チャンと正面を向いている。
不自然なだけに、一層怖い感じだ。
三谷も倭文子も、背中を、ゾーッと、氷の様に冷たいものが這い上るのを覚えた。
見ていると何だかえたいの知れぬ、非常に不気味なものが、ジワジワと、写真の中から、滲み出して来る様な気がする。
傷や血のりで汚れたうしろから、ゾッとする様なものが、こちらに笑いかけているのを感じる。
「ア。いけない。あなた見るんじゃありません」