Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

国技館の生人形に化けて見たり、風船に乗って空中へ逃げ出すなんて、小説家ででもなければ、ちょっと考えつかないことです。今度の事件はすべて、如何にも、小説家の空想が嵩じたという、突飛千万なものでした」

「賊がつけていたという蝋面の製造者をお検べになりましたか」

明智がたずねる。

「検べました。東京には、蝋細工の専門工場は四五軒しかありませんが、それを残らず調べさせました。しかし、どこにも、あんなものを作った家はないのです」

「蝋細工は、別に大仕掛けな道具がいる訳でもないのでしょう」

「エエ、型さえあれば、あとは、原料と鍋と、それから染料だけで出来るのです。多分あいつは、専門の職人に頼み込んで、自宅で秘密に作らせたものでしょう。僕は蝋細工の工場へ行って見ましたが、少し骨を飲込みさえすれば、素人にだって出来相な、ごく簡単な仕事です。それで、出来上ったものは、まるでセルロイドのように薄くって、いくらか弾力もあって、その上、人間の生顔にソックリなんだから、考えて見れば、恐ろしい変装道具ですよ。それを、額の生え際から耳のうしろまで、スッポリかぶっていたのです。色眼鏡やマスクで隠さずとも、一寸見たのでは、面と気付かぬ程よく出来ていました」