Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

あるいは近くあるいは遠く、警鐘の物すごき合奏、早くも駆けつけた消防車のサイレン、提燈の火と共に、群り来る群集、エンジンのうなり声、飛び違う消防手、火の粉の雨、逃げまどう人波、泣き声、わめき声。……最早や、捕り物どころではなかった。

だが、その中でも、恒川氏初め刑事達は、鵜の目鷹の目、犯人らしき人物が逃げ出しはせぬかと、一生懸命見張っていたが、ついに鎮火するまで、疑わしき人物さえ発見することが出来なかった。

「ひょっとしたら、彼奴、自殺したのかも知れぬぞ」

恒川氏がむなしく火事場を眺めながら、つぶやいた。

「僕も、それを考えていた所です」

側に立っていた部下の一刑事が、合づちを打った。

逃げ出した奴がないとすると、そうでも考える外はなかった。谷山はもうのがれられぬと観念したのだ。どうせ絞首台にのぼる位なら、敵の倭文子を初めとして、恨み重なる探偵や警部を道連れに、いさぎよく自殺をしようと決心した。それには五人のものを一室にとじこめておいて、工場に火を放ちさえすればよいのだ。あいつの考えつき相な事である。

翌朝、焼跡捜索の結果、恒川氏の推察が的中したことが分った。