Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

だから、やっぱり夢だったかも知れない。こんなこと誰にもいっちゃいけないよと、私だけにお打あけなさいました」

「お前は、そのいいつけを守って、誰にも話さなかったのだね」

警部は少し非難の調子を含めていう。

「エエ、まさかこんなことになろうとは、夢にも思わぬものですから……わたし、奥様の気のせいで、そんなものをごらんなすったのだろうと思いましてね」

お波も倭文子のだらしない生活を見兼ねていたのだ。

「ところが、あなた。それもつい今朝になって分ったのでございますが、奥様のごらんなすったのは、満更夢ではなかったのです」

「ほう、すると、やっぱり谷山が、生きてここへ忍び込んだ証拠でもあるというのかね」

「女中の花が、ソッと私にいいますには、この間中から、夜の内に、台所の戸棚に入れておいたハムだとか、卵とか、色々なものがなくなっているというのでございますよ。若しや、誰かが、縁の下にでも忍び込んでいたのではありますまいか」と、お波は声をひそめる。

「それはいつ頃からだね」

「やっぱり四五日前、丁度奥様がおばけをごらんなすった時分からだと申しますの」

同じ犯罪現場には、所管警察の司法主任が、最前から窓やドアや調度などを熱心に調べ廻っていたが、彼はそれをしながらお波の話しを小耳に入れたらしく、その時、二人の側へやって来て口をはさんだ。