Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

「しかし、縁の下にもせよ、天井にもせよ、そこからこの部屋へ、どうして入ったか、又どうして出て行ったかということが問題です。それは婆あやさん、あなたが証人じゃありませんか」

「エエ、それがわたしも不思議で不思議で仕様がないのですよ」

お波は眉をしかめて、同意する。司法主任は恒川氏に向き直って説明した。

「この婆あやさんが、被害者と話していて、子供をつれてちょっとの間廊下へ出ている隙に、犯罪が起ったのです。悲鳴を聞きつけて、ドアを開いて見ると、被害者はこの通り倒れていて犯人は影も形もなかったというのです。そうだったね、婆あやさん」

「エエ、その通りでございます。茂ちゃんを廊下で遊ばせていたのは、僅か五分かそこいらです。その間、わたし、このドアのそばを一度も離れませんから、悪者はどこか、もっと別の所から入ったに違いございません」

「ところが、不思議なことには、外に入口といっては、全くないのです」司法主任が引きとって「窓には、鉄格子がはめてあります。天井は漆くいで塗かためてあります。床板にも異状はありません。といって、この部屋には、ごらんの通り、戸棚も押入れも何もないのですから、何かの蔭に潜伏していたという想像は、全然不可能です」