Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

「ヘエ、わしは、そんな悪いこととは知らねえで、十円の金に目がくれて、そいつのいいつけ通りやったまでです。わしは、何も知らねえ者です」

男は、覆面をとって、しきりと詫言を並べていた。

「僕はこいつを知っている。この山内に野宿している新米の子持ち乞食だ。あの洋服を着せられているのは、こいつの子供なんだよ」

一人の刑事が、男の言葉を裏書した。

「それで、貴様が贋の子供と引換えに、金を受取ると、どっかに待受けている、その頼んだ男の所へ、持って行く約束なんだな」

別の刑事が、乞食を睨みつけて呶鳴った。

「インヤ、金を受取れなんて、いやしねえ。ただ、女の人が四角な包を持って来るから、それをもらって、どっかへ捨っちまえ、といったばかりで」

「ホウ、そいつは妙だね。すると、賊の方では、金包が新聞紙だということを、チャンと知っていたんだな」

何だか狐につつまれた様な、変な具合だ。

「そいつの顔を覚えているだろう。どんな奴だった」

また一人の刑事が尋ねた。

「それが分らねえです。大きな黒眼鏡をかけて、マスクをつけて、その上外套の袖を顔へ当てて、物をいっていたんで……」

アア、この風体! 読者は恐らく、ある人物を思い出されたことであろう。