Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
ハッとしてお浜はまた抱き直すと、さあ、それから、また泣き出して、もう声も涸れきっているのに、涙ばかりをホロホロとこぼし、パッチリとあいた眼に、じっと母親の面を見据えて五体をわななかせる。
「坊や、まだ痛いかえ。まあお前、そんな怖い面をして母さんを見るものじゃありませんよ」
お浜は力も折れて泣きました。郁太郎は身をふるわせて母にしがみつくように、その眼は瞬きもせずに母の面のみ見つめていますから、
「まあ、お前はナゼそんなにお母さんを苛めるの、なんという因果だろうねえ」
お浜は泣きながら我が子の面を見ていたが、
「ああ罰だ、罰だ、これがほんとの天罰というのに違いない」
投げ出すように郁太郎を蒲団の上に差置いたお浜の眼は、物に狂うように光っておりました。
お浜がいまさら天罰を叫ぶは遅かった。しかし、遅かれ早かれ、一度は天罰を悟ってみるのも順序であります。
我が子なればこそ、これほどのささやかな創に気も狂うほど心配するものを、今お浜が、
「ああ怖い」
と言って慄え上った瞬間に眼前にひらめいた先の夫文之丞のことはどうだろう、木刀の一撃にその人が無残の最期を遂げた時、お浜という女はその人のために、どれだけ悲しみ、その相手をどれだけ怨んだか。