Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
十三
十三
「与八ではないか」
「これは方丈様」
「このごろ、面を見せないからどうしたかと思った」
「このごろは仕事が忙しいもんだから、つい御無沙汰をしました」
「ちと、やって来い、この間お前に運んでもらった石をコツコツやっているよ」
「お地蔵様をお彫りなさると言ったあの石かい」
「そうだ、そうだ」
「方丈様、お前は絵もかけば字も書く、彫物なんぞもなさるだね」
「ああ、何でもやるよ、畑つくりでも米搗きでも一人前は楽にやるよ」
「感心なものだね」
「生意気なことを言うな。それはそうと与八、遊びに来い、檀家から貰った牡丹餅や饅頭がウンとあって本尊様と俺とではとても食いきれねえ、お前に好きなほど食わしてやる」
「本当かい」
「嘘を言うものか、米の飯も食いたければ食わしてやる」
「済みましねえ、それじゃ、よばれに行くことにすべえ」
「江戸の土産話でも聞かせてくれ」
「それから方丈様、いつか教えてもらった地蔵様の歌、あのつづきを教えておくんなさいまし」
「和讃かい、あれも教えてやるよ、どこまで覚えたか忘れやしまいね」
「忘れるものか、十にも足らぬみどり子が、というところまでだ」
「そうか、お前の覚え込みの悪いのには閉口だが、覚え込むと忘れないだけが感心だ」