Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「ナニ、大した事じゃねえ、昨夜それ、薪を運ぶとって転んで腰を木の根にぶっつけたのだよ、二日もしたら癒るだろう、江戸行きはもう少し延ばしておくれ」
「お江戸なんぞはいつでもようござんす、早くその怪我を癒して下さい」
「そ言ってくれると有難い。それでな、お松坊、お前に預けておきてえものが一つある」
主人は蒲団の下を探って取り出したのが、錦の袋に入れた短刀ようのもの。
「おじさん、これは何」
「何でもよい、これから大事に懐中へ入れて持っておいで、決して人に見せてはいけないよ」
「これは短刀ではないの」
「うむ、そうだ、用心に肌身をはなさず持っておいで、そのうちにはわかることがあるからな」
少女は何だか合点がゆきません。ようよう寝床を這い出したこの家の主人はかなりの怪我と覚しく、跛足を引き引き炉の傍までやって来て少女と二人で朝飯を食べていると、
「七兵衛さん、七兵衛さん」
表口で呼ぶ。ここの主人の名は七兵衛というのであるらしい。
「これは嘉右衛門さん、朝っぱらからどちらへ」
「なに、ちっと見舞に行こうかと思って」
「お見舞に? どこへ」
「まだお聞きなさらねえか、材木屋の藤三郎さんが今朝早く上げられなすって」