Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「惣太さん――」
「何だい」
「お前、鉄砲を持ってるね」
「猟師に鉄砲を持ってるねと念を押すのもおかしなものだね、この通り持ってるよ」
「その鉄砲というやつは、素人にも撃てるものかい」
「そりゃ、撃てねえという限りはねえが」
「どのくらい稽古したら覘いがつくんだい」
何を考えたものか金蔵は、それから毎日のように岩坂の惣太が家へ鉄砲の稽古に出かけます。
惣太の鉄砲を借りては的を立てて、しきりにやっているので、少しずつは物になります。今日は三発とも的に当てたので、得意になって、四発目に裏山の樅の枝にたかっていた鴉に覘いを定めて切って放つと見事に失敗って、鴉は唖々とも言わず枝をはなれてしまったから、
「駄目駄目」
惣太は傍から、ニヤリニヤリと笑い、
「生き物は、まだ早い」
「それでも鴉ぐらい」
金蔵は口惜しそうです。
「鴉ぐらいがいけない、鴉ほど打ちにくい鳥はないのだ、鴉が打てたら、鉄砲は玄人だよ」
「そうかなあ。いったい、鳥では何が打ちよいのじゃ」
「そうさ、お前さんの打ちよいのはそこにいる」
「ばかにしている、あれは鶏じゃないか、雉子か山鳩あたりをひとつ、やってみたいな」
「雉子をひとつ、やってごらんなさい、二三日うちに山へつれて行って上げます」