Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
鍛冶倉は縄を口でしごいて、処嫌わず金蔵を縛ろうとする。縛られまいとして、一生懸命の力は金蔵といえども侮るべからず。
「な、何だい親方、そ、そう無茶に人を縛るなんて」
「野郎、手向いをしやがるな」
鍛冶倉は上から押しつぶそうとのしかかる、金蔵は跳ね起きようともがく途端に、手に触れたのは鍛冶倉の腰にさしていた山刀。それを奪い取ろうとして遮二無二引き廻すと、鞘が脱け落ちて身だけが金蔵の手に残る。
「アッ!」
どこを突いたか、突かれたか、鍛冶倉は縄を持ったなり二三尺飛び退いて、横腹のあたりを押えながら面をしかめる。血がダラダラ二三滴、熊の皮の敷物の上へ落ちる。
「野郎、突いたな!」
「突いたがどうした」
けれども、鍛冶倉の引っぱった縄は金蔵の首に捲きついている。
「アッ、苦しい!」
縄をグッと引くとグッとくびれる。
「アッ苦しい! お豊……お豊さあーん」
血の染みた山刀を振り廻して金蔵は眼を白黒、苦しまぎれにお豊の名を呼びながら無茶苦茶に飛びかかって山刀で鍛冶倉の面を斬る。鍛冶倉は左の脇腹を刺されている。金蔵の首へかけた縄は放さなかったけれど金蔵の刀は避けられず、またしても左の額際を一刀やられた。