Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
いま開け放しておいた襖から七つ八つの、いずれも穏かならぬ面がさいぜんから現われて、この無作法な浪士の後援をつとめていたのがいま一斉に弥次り出した。
どこへ行っても、今頃は、こんな血の気の多いのに打突かることが珍らしくない。いや、竜之助は、これよりもっともっと生命知らずの新撰組や、諸国の浪士の間に白刃の林を潜って来た身だ。
白い眼で、じっと見て、左手で植田丹後守から餞別に貰った月山の一刀を引き寄せる。
竜之助は、この刀を持ってから、まだ人を斬ったことはないのである。さりとはあまり物好きな、この連中を相手に喧嘩を買ってみる気か知らん。
浪士らは、一喝の下に嚇してくれようと威勢を見せたが、案外、手答えがなく、シンネリとして蒼白い面に憤って沸くべき血の色さえも見えず、売りかけられた喧嘩なら、いくらでも買い込む気象を見せて、刀を引き寄せた竜之助の挙動を見て、かつは呆れかつは怒ったのであります。
「汝れは、生命というものが惜しくないか!」
印籠鞘の浪士は居合腰になって刀を捻ったのである。
「生命なんぞは惜しくない――」
彼は月山の新刀を手にとると、この時むらむらとして無暗に人を斬りたくなった。