Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
兵馬の意気込むにつれて与八はしょげ返り、
「あの勝負は竜之助様が勝って文之丞様が負けた」
「尋常の勝負ではなかったはず」
「尋常の勝負どころか、お前様、飛んでもねえ勝負でござんす、お前様のお兄様のことだからずいぶん腹も立つべえけれど、俺も悲しいやら口惜しいやら……」
与八は泣き出してしまいました。
「なにも泣くことはあるまい、お前の身にはかかり合いのないことだ」
「わしにかかり合いのねえどころか、大有りでさあ」
「お前に……あの試合が?」
「何も言わねえ、試合のことなんざあ忘れちまった方がよかんべえ」
「それが忘れられるものか、それがためにわしは江戸を抜け出して兄上の仇討に出て来たのだものを」
「お前様が仇討に――誰を敵にお討ちなさるだ」
「机竜之助を」
「机竜之助様を?」
与八が振向いた時、馬上の兵馬は御岳山の方を見やる眼許より雫が頬を伝うて流れるのを見かけます。
二十
七兵衛とお松とを店頭から追い払ったその晩のことです。
主人は商用で上方へ行ったというにもかかわらず、山岡屋の女房のお滝は、ニヤけた若い男を傍に置いて、夜も大分更けてゆくのにしきりに酒を飲んでいると、