Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「ほんとにつまらない」
お浜は郁太郎を抱きながら投げ出したような溜息です。
「何がつまらない」
「なんですか、しみじみ世の中が詰らなくなりましたわ」
「尼にでもなれ」
「ほんとに儘になるならば比丘尼か巡礼にでもなりたい……」
竜之助は苦り切って、その面には負けず根性の中に抑え難い鬱屈が漲っている、それを無理に抑えつけて、半ば不貞返った気味のお浜の言い分を黙って聞き流しているが、折にふれて夫婦の間には、こんな不愉快な空気がこの二三年来漂うて、今日はその雲行きがいつもよりは険しいのです。
「ねえ坊や、お前さえなければお母さんはどこへでも行けるのだよ、坊やのお父様という人はねえ、お母さんに尼になれだとさ、お父さまに愛想を尽かされても、坊やがあるためにお母さんは何とも口答えができないし、出て行くところもないのだよ」
お浜は郁太郎の面をじっと見つめながら、
「今日は五月の五日といって、男の子のお祝いの日なのよ、坊やも初子だからお父さんに祝っておもらい、幟を立てておもらい。お母さんは器量がないから人形一つ買って上げることはできないのだよ」
竜之助は横を向いて取合わないでいるのを、お浜は畳みかけて、