Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「浜、そういうことが今更わしの前で言えるか」
竜之助の唇がピリリと顫えます。
「はい、どこでも申します、今となってわたしは文之丞が恋しい」
「ナニ!」
「あのまま添うていたら、この子にもこんな苦労をさせずに済もうものを」
お浜はハラハラと涙をこぼします。
「うむ――」
竜之助は憤りを腸まで送り返すために拳にまで力が入って、
「よう、あの頃のことを考えてみい、罪はわしにあるか、ただしお前にあるか」
「さあ、水車小屋で手込にした悪者は誰でしょう」
お浜は後れ毛をキリリと噛み切って、
「あれが悪縁のはじまり、あのことさえなくばわたしは宇津木文之丞が妻で、この子にもこんな苦労はさせず」
「ああ、女は魔物じゃ」
ここに至って竜之助は女の怖るべきことを初めて悟ったかの如く、深い歎息のほかには言句も継げなかった有様でしたが、ややあって独言のように、
「おれが方から言えば、あの試合に殺気を立てたのはみんな浜という女のなす業じゃ、文之丞が突いた捨身の太刀先には、たしかに恋の遺恨が見えていた、それを打ち返したこっちの刀にも悪女の一念が乗り移っていたに違いない、事の行きがかりはみな浜という女の一念から起る」