Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

「ははあ」

島田虎之助は眼をつぶって夢を見ている体たらく。

「御高名の一手を御教授下し置かれたく……」

「…………」

島田先生、いっこう竜之助の懇願に取合いがなく、閉眼沈思の姿でありますから、

「未熟者ながら先生の一太刀を……」

繰返して願ってみても、何とも返事がなく、これもさっぱり張合いがありません。

二十五

宇津木兵馬が入門の初め、島田先生はこういうことを教えました。

剣術は自得である。筑後梁川の藩に大石進という者がある。性質愚に近いほどの鈍根で、試合に出ては必ず負ける。後輩年下の者にさえさんざんに打ち込まれる。そのたびごとに笑われ嘲られる。或る時、非常なる辱めに会ってから、さすがの鈍物も藩の道場に姿を見せなくなった。それより門を杜じて、天井より糸で毬をつるし、それを突くこと三年間、ついに天下無敵の突きの一手を発明してしまった。再び道場に現われた時は藩中はおろか、天下その突きの前に立ち得るものがない。(島田虎之助に、男谷下総守、それにこの大石進を加えて当時天下の三剣客という。)

島田先生からこの話を聞いた兵馬は、同じ方法と同じ熱心を以て突きの手を工夫し、今や同じような成功を見るに至ったわけです。