Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
無論、宇津木兵馬も、仏頂寺、丸山もこれで身を温めました。
ある時は、この浴槽の中から、天下の風雲が捲き起るような談論も飛び出したり、鬱屈たる気分で詩吟が出たり、いい心持で鼻唄が出たりしたものですが、ひとりで、特別の時間に、この浴槽をひとり占めにして、しんみりと浸っていた者は、お腹に異状があると指摘されてから後のお雪ちゃん――それと、深夜全く人定まった時分に、ひとり身を浸している盲目の剣人――それらの人に限ったものでしたが、今日は全くの新顔で、そうして、従来とは全く異例な弁信法師が、一人でこの大浴槽を占領し、抜からぬ顔で、温泉浴と洒落こんでいる。
そうでなくてさえたまらない、このお喋り坊主の長広舌が、湯の温かさにつれて、とめどもなく溶けて流れ出すのは、ぜひないことです。
「皆さま、わたくしがああして、大野ヶ原の雪に迷うて、立ち尽していたことまでは、皆様も御存じのことと思いますが、あれからのわたくしは、自分のことながら、よく自分のことがわかりませんでございました。わたくしの頭の上で、鳩の啼く音が致しますから、はて、不思議な啼き声だと、それを聴いておりまするうちに、気が遠くなってしまいました。