Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
それに味方の二大将、彭と凌振とが賊にとらわれてしまったのみか、梁山泊のために働いているらしい様子なども、自然に官軍方の警戒を神経質にさせ、特に闇夜などは、その攻勢よりはむしろ守りにかたくなっていたところだった。
「や、や。敵だっ。賊軍が江を渡って来たぞ」
「奇襲か」
「そんな小勢ではない」
「おお、いつのまにか。こりゃ凄まじい……」
「水も野も芦のあいだも、いちめんな火、たいまつの火だ!」
歩哨、幕僚たちの立ち騒ぐ声に、
「あわてるな。犀笛を吹け。全軍、即時部署につけいッ」
呼延灼は、ただちに例の“雪烏騅”の名馬にまたがり大号令をくだしていた。
副将の韓滔もすぐ馳けつけて来た。
「将軍。賊の大兵を見るに、野末をぐるぐる輪をかいて馳け、いまや、ま南へ廻ってますが」
「陽気に釣られて――」
と、呼延灼は、くちびるを噛み、
「久しく穴ごもりしていた奴らが、蛇とおなじで、穴を出て来たものらしい。連環馬軍の一隊をくりだして踏みつぶせ」
しかし、たちまち、韓滔は、さんざん敗れたていで、ひっ返して来た。
「将軍。うかつでした」
「どうした韓滔」
「敵の中心は、ま南とばかり睨んでいたら、わが連環馬が突進して行くと、声は闇の遠くに消え、代るに左右から妙なカギ鎗を持った鎗隊が襲い来たりたちまち、わが連環馬八十余騎を殲滅されてしまいました」