Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
百花の刺青は紅の肌に燃え、 魯和尚の大酔に一山もゆるぐ事
数歩のうちに、下のほうから一荷の酒桶をかついで登ってくる男が見えた。魯智深は、はからずも巡り会った恋人にでも引かれるように、
「おい、ちょっと待った」
と、男の担い棒へ手をかけて押しとどめた。
百花の刺青は紅の肌に燃え、
魯和尚の大酔に一山もゆるぐ事
荷担棒の酒桶は、男の肩の両端でブランと揺れた。もちろんフタの隙からこぼれ出た少しの酒が男の膝や地へ沁みこんで芳醇な香をふんだんに放ったのはいうまでもない。
「あっ。も、もったいねえ」
抑えていた棒先の片手をそのままに、魯智深がこぼれた酒を鼻で追っていくような恰好を見せたので、酒屋男はなおぎょっとして怪しんだ。
「な、なんでござんすか、お坊さま。いったいなんの御用でてまえをお留めなすッたんで?」
「酒だろう桶の中は。どうも、たいした酒だな。どこへ持っていくんだ」
「山上の仁王門にご修理がございますので、そこに泊りこみで働いている塗師、瓦師、仏師などの職人方へ売りにいきますんで」
「ふウむ……」と、智深は絶えず鼻うごめかせながら「畜生。うまくやってやがるなあ」
――そこで彼はもう一言、おれにもそれを売ってくれい、と喉の辺までは出しかけたが、ぐっと唾をのむ音をさせて。