Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「なんのこれしきのこと」
と、彼はかえって、謙遜して。
「むしろお恥かしいくらいです。なんとなれば、桃花山一つもまだ片づきません。甕の中の泥亀を採るようなものと思っていたのがまちがいで、思いきや、二龍山から花和尚、また青面獣の楊志なんどの、意外な助太刀があらわれましたために」
「悪かった。事前に注意しておけばよかったが、そのほかまだ、景陽岡で虎退治をした行者武松なども、一味の内にたてこもっておる。……それゆえにこそ今日まで、この州城でも征伐し難く手をやいていたわけなのだ」
「いや、もはやご安堵あってしかるべしです。追ッつけこの呼延灼が、ひとりびとり、引ッ縛ってきて、ご面前に据えるでしょうから」
「たのむ。急に心も明るくなった。まずは将軍も大いに休養してください。酒庫を開いて、兵どもにも、ひとつ今夜は勇気づけさせましょう」
――場面は一転して。ここは郊外十里の野。
地は暗く、空には鋭い細月があった。
一隊の黒い流れが見える。――先なる一壮漢は、狭霧の薄戦衣に、虎頭を打ち出した金唐革の腹巻に、髪止めには銀のはちまきを締め、おぼろめく縒絨の剣帯へ利刀を横たえ、騎馬戛々、ふと耳をそばだてた。