Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「おや、豪勢なお取巻きだね、あの花魁はいったい誰?」
妓と妓は、顔見合わせて、まるで耳こすりでもするように、宋江へ囁いた。
「あれが廓一番の、李師々大夫さんですのよ」
「へえ、李師々大夫」
「だめですよ、岡惚れをなすっても」
「どうして」
「だって、今上の天子さまがお馴染みで、毎度毎度、お通いになっている高嶺の花、いいえ、お止山の花ですもの」
「はははは、じゃあ何ともわれわれでは仕方がないね」
「だから、妾たちにしておきなさいよ」
「どういたしまして、君たちでも、もったいない」
「うそばッかり。お杯もくれないで」
いつのまにか、燕青はここの席から消えていた。何事かを宋江から耳打ちされて、斜向いの大籬の門へ、すうっと、入って行ったものである。
内は前栽から玄関もほかの青楼とはまるで違う上品な館づくりだ。長い廊から廊の花幔幕と、所々の鴛鴦燈だけが艶めかしいぐらいなもの。
「あら哥さん、あんた誰? どこへ行くの?」
「オ、禿さんか。じつはね、ご内緒のおっかさんに会いたくって来たんだが」
「おっかさんなら、あそこでお客さんと話しているわよ」
「ほ。……あの肥えた女のひとがそれかい」