Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
いいえもう、店のほうよりは、奥がたいへんなんですよ。少しは休みながらといってるのに、金蓮さんときては、真正直に、もうせッせと、針の目ばかりに暮れッきりで」
西門慶は、今日も身装りを着かえていた。めかし頭巾も紫紺色の、まるで俳優めかしたのをかぶり、少々は薄化粧などもしているらしい匂い。なにやら如才ない手土産などを婆に渡して、やや離れた椅子に腰をおろすと、大容に言ったものである。
「ご苦労さまね、金蓮さん。そう急ぐわけでもなし、からだに障っちゃいけませんよ。すこし話しませんか」
「いいえ、お針は好きですから……」と、金蓮はいっそう肩をすぼめて、恥じらしげに、針も休めず顔も上げない。
「……でも、こんな下手なお仕立てが、お気に召しますかしら、しんぱいですわ、わたし」
婆はもう台所から、土産物の果物に、一煎のお茶を添えて、そこの卓へ運んで来た。そして、
「さ、金蓮さんも、ご一しょに……。これでお口を濡らしているまに、すぐお料理やお酒を持って来ますからね」と、すぐまた席を外して行った。
「ア、おばさん。そんなに関わないで頂戴、毎日のことですのに」
「いや金蓮さん。酒はてまえが、飲みたいんでさアね。