Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
そんなンじゃねえや。おい、屁ッぴり腰はみッともねえぜ。しっかりやんな」
「こいつが」
棍棒を振りかぶッた軍卒二人が左右から迫って、交互に、あわや一百棒をかぞえだそうとした。
すると急に、なに思ったか管営が「待て!」と止めた。その側にいた一人の若い男が、管営の耳もとへ何か囁いて、制止させたものらしい。
それは二十四、五歳の白皙紅唇の若者だった。細い美しい髭を生やし、その髭を唐風でなく、北欧人のように上へピンと刎ねあげている。身装は黒紗の袍衣に白絹の帯を横結びに垂れ、そして、頭にも手頸にも白い繃帯をまいていた。
管営はその若者から、なにかもいちど、囁きを耳にうけると、
「百棒は中止せい。いずれまた、武松の体が癒ってから申しつける。――それまでは独房へ抛り込んでおけ」
と、軍卒に命じたまま、すぐそこを立ち去りそうにした。
「なにいってやがる」武松は叫んだ。「おれは病気でも何でもねえぜ。なぜやめるんだよ、おい」
「だまれ。上司から来た調書によれば、元来汝には、時折り狂癲の発作があるよしが認めてある。狂気を打ちすえても、御法の殺威棒の主意にかなわん。正気の折に打ってくれよう」