Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
世間並みに見やがっておつりきなことを吐かしゃあがると、向う脛を掻ッ払うぞ」
武松は、彼らの語気に、はッと気づいた。「――そうだっけ。おれもその囚人の一人だったのだ」と、何かに追っかけられたように、もとの家屋の内へ駆けこんでいた。そして奇妙な部屋の中で「……はあて? 一体おれはなんだろう?」と独り物思いに、鬱いでしまった。
或る晩。そして、いつもの如く。
美食と酒に倦んで、寝台にゴロとしていると、例の老軍卒が、旅館の小僕のように、おきまりの食器のとり片づけに入ってきた。
「今夜こそは」
と武松はまた、彼をつかまえて、なぜこんな破格な待遇をするのかと、彼にたずねた。
「どうも弱りますナ、都頭さん」
老軍卒は、その主人から、かたく口止めされていたらしい。しかし、武松の執拗な詰問に、ついにその晩は口を割った。
「じつはその……なンです……若殿のご命令では、三月か半年、時いたるまでは、わが名を明かしてはならんといわれておったんですが」
「と聞くと、なお訊きてえや。若殿とは、いったい誰ですえ?」
「いつぞや点視庁の広場で、あなたの一百棒を中止させた管営様のご子息ですよ」