Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
すると小舟は苦もなくひッくりかえってしまった。同時に李逵の姿も男の影もほとんど、一波の白いしぶきも揚げず、ただもっこりと江中に沈んでいった。
驚いたのは、宋江と戴宗である。――慌てて近い岸のなぎさまで馳けよって来たときは、江上の舟はすでに裏返しとなってただよい、漁師、ぼてふりの輩は、さも心地よげな眼を沖へやって、
「うまくやんなすったね、親方さんは」
「何ンたって、浪裏白跳さ!」
「揚子江のぬしみてえなものだ。あの水牛野郎も、たっぷり水を飲むことだろうよ」
と、がやがや快を叫びあっていた。
宋江は、またさらに仰天した。大勢の顔へむかってことば忙しく。
「あの肌の白い魚問屋の主人。あの人のあだ名が、いま誰かの言った“浪裏白跳”というのですか?」
「そうです、そうです。張順さんと仰っしゃいますぜ」
「それは大変だ。――戴宗どの、こいつは、しまった」
「えっ。しまったとは」
「彼が魚問屋の張順なら、その実兄の張横から私は手紙をもらっている! 江州へ行ったらぜひ会ってやってくださいと」
「や、や、や。それはさて、なんとしたものか?」
困惑と手をにぎる汗、ただ、彼方の水面へ、その眼をこらし合うしかない。