Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
おやじは四ツ竹を持ち、娘は胡弓を抱えている。
うす寒げな白の袗衣に、紅羅い裙子の裳を曳き、白粉痩せは、その頬に見えるだけでなく、肩にも弱々しげな翳がある。だが、髪にとめた安翡翠の釵一つが、さして美人でもないこの娘の可憐さを、いとど秋の蝶のように眺めさせた。
「……やりきれんなあ、またここでも泣かれちゃあ。頼むから、泣くのだけはよせ。それよりは、何を悲しむのか、その理由をひとつ訊かせないか」
「はい……」と、娘はやっと、嗚咽から袂を離した。そして、さっきからただ、詫び入るばかりだった老人とともに、
「わたくしたちは、もと開封東京の者でございますが、重い税にくるしめられて、商売もなりたたず、この渭州へ流離うてまいりました。ところが、心あての身寄りも今はいず、旅宿住居のうえに、母も長い病患で亡くなる始末で、もう売る物とて何一つございません。……で、つい人様の口に乗り、さるお方の世話になったのが、そもそもこんな苛責と因果にしばられる間違いだったのでございました」
と、“街のダニ”ともいうべき悪辣な男の罠にかかった始末を、ようやく恟々と打ちあけだした。
よくある手で。