Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
脂身などはちッとも交じらんとこを切れよ」
「かしこまりました。ヘイ、賽の目にね。おいよ店の衆、十斤がとこ、極く上々を急いで」
「おっと待て。きさまあ肉屋の主人じゃないか。関西五路の顔役とか何とかいわれて、こんな羽振りと繁昌を見ているのも、当地のご守護若殿のおひきたてによるものとは思わんか。自分で切れ」
「こいつアおそれ入りました。まったく、こんな時こそ、ひとつせいぜい……」と、鄭はさっそく、自身、肉切り台の前に立った。そして、さすが手練れた大きな肉切り包丁を鮮やかに使って見せ、肉も吟味に吟味して、やっとのこと、
「どうも、お待たせ申しあげました」
と、大きな蓮の葉にくるんで差しだした。魯達は、うなずいて。
「そこへ置け。次には脂身ばかりのとこを、もう十斤」
「へえ。脂身ばかしなんて、何になさるんで」
「よけいな詮索するな。それも賽の目だぞ」
「むずかしいなあ。が、ようがす」
また小半刻もかかって、鄭がこれをも、包んで出すと、今度は豚の軟骨ばかりを十斤、同様に切れと魯達が命じた。
これには鄭も、むっとした顔つきだったが、笑いに紛らして。
「旦那あ、人が悪いや。お嬲ンなすっちゃいけやせんぜ」