Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
あっしにとっても、願ったり叶ったりだ。――この山から薊州を通らずに梁山泊へ行ける抜け道だって知っていますぜ。どうかこの時遷に道案内をさせておくんなさい」
「げっ? ……」と、二人は驚いて、「時遷。おめえには、二人のこんな小声の耳打ちも、そこにいて聞えるのか」
「へエ、どういうものか、子供の時から耳のいいことといったら、蟻の足音も聞こえるほどなんで」
「気味のわるい。まアいいや、これも何かの縁だろう。ともあれここに長居はできねえ。おい、抜け道というのはどっちだ」
「そうきまったらこうお出でなせえ」
と、時遷は間道へさして、先に立った。――かくてここ翠屏山における“潘巧雲殺し”の一場面は、そのあとで、薊州じゅうの大評判となった以外に話はない。
旅の日をかさねて、先の楊雄、石秀、時遷の三人づれは、はや州ざかいにかかっていた。――その日、香林という一村をすぎて、舂く彼方に、一座の高山を仰いだ頃だった。
「おや、ここらにしちゃあ洒落た旅籠があるぜ」
足もくたびれ加減である。三人が近よってみると、やはり田舎は田舎で、街道を前に、崩れ築土の茅葺き屋根。しかし、百樹の柳にくるまれて、それも画と見えるばかりか、入口の聯(柱懸け)には、