Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
田舎で春から開業している菊太郎の評判などを、小父が長い胡麻塩の顎鬚を仕扱きながら従姉に話して聞かせた。
「為さあも、油屋の帳場に脂下っているそうだで、まア当分東京へも出て来まい。」小父は笑いながら話した。
お庄は母親の蔭の方に坐っていて、柱も天井も黝んだ、その油屋という暗い大きな宿屋の荒れたさまを目に浮べた。そこは繭買いなどの来て泊るところで、養蚕期になるとその家でも蚕を飼っていた。主は寡婦で、父親は田舎にいる時分からちょいちょいそこへ入り込んでいた。お庄の家とはいくらか血も続いていた。
母親は齲歯の痛痒く腐ったような肉を吸いながら、人事のように聞いていた。
「それ、そんなこンだろうと思ったい。」と、主婦は吐き出すような調子で言った。
「あすこも近年は料理屋みたいな風になってしまって、ベンベコ三味線も鳴れア、白粉を塗った女もあるせえ。」
「いっそもう、そこへ居坐って出て来なけアいい。」母親も鼻で笑った。
「出て来なけアどうするえ。稚いものがいちゃ働くことも出来まいが……。」
小父は主婦とお庄とをつれて、晩方から寄席へ行って、帰りに近所の天麩羅屋で酒を飲んだ。