Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
十八
「お前も何だぞえ、そういつもぶらぶらしていないで、また前のような失錯のないうちに田舎へでも行って体を固めた方がいいぞえ。」
そこのお婆さんは顔さえ見ると言っていたが、お銀はどちらへ転んでも親戚の厄介になぞなりたくないと思っていた。どんなに困っても家のない田舎へなぞ行こうと思わなかった。
十八
暮に産をする間の隠れ場所を取り決めに、京橋の知合いの方へ出かけて行ったお銀は、年が変ってもやはり笹村の家に閉じ籠っていた。
笹村にせつかれて、菓子折などを持って出かけて行くまでには、お銀は幾度も躊躇した。丸薬なども買わせられて、笹村の目の前で飲むことを勧められたが、お銀は売薬に信用がおけなかった。「そのうち飲みますよ。」と、そのまま火鉢のなかにしまっておいた。薬好きな笹村は、始終いろいろな薬を机の抽斗に絶やさなかった。知合いの医者から無理に拵えてもらったのもあるし、その時々の体の状態を自分自身で考えて、それに応じて薬種屋から買って来たのもある。それにお銀の体に毒気があるということを聞いてからは、一層自分の体に不安が増して来た。血色は薄いが、皮膚だけは綺麗であったお銀の顔に、このごろ時々自分と同じような、ぼつりとしたものが出来るのも不思議であった。