Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

二十七

茶の室へ出てみると、母親は台所でこちゃこちゃ働いていた。

お銀はまだ悩み続けていた。

二十七

産婆が赤い背の丸々しい産児を、両手で束ねるようにして、次の室の湯を張ってある盥の傍へ持って行ったのは、もう十時近くであった。産児は初めて風に触れた時、二声三声啼き立てたが、その時はもうぐったりしたようになっていた。笹村は産室の隅の方からこわごわそれを眺めていたが、啼き声を立てそうにすると体が縮むようであった。ここでは少し遠く聞える機械鍛冶の音が表にばかりで、四辺は静かであった。長いあいだの苦痛の脱けた産婦は、「こんな大きな男の子ですもの。」と言う産婆の声が耳に入ると、やっと蘇ったような心持で、涙を一杯ためた目元ににっこりしていたが、すぐに眠りに沈んで行った。汗や涙を拭き取った顔からは血の気が一時に退いて、微弱な脈搏が辛うじて通っていた。

産婆は慣れた手つきで、幼毛の軟かい赤子の体を洗ってしまうと、続いて汚れものの始末をした。部屋にはそういうものから来る一種の匂いが漂うて、涼しい風が疲れた産婦の顔に、心地よげに当った。笹村の胸にもさしあたり軽い歓喜の情が動いていた。