Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

六十六

六十六

その晩芳村は行ききりであったが、お増と綺麗に手を切ったことは、翌朝芳村が友達のところへやって来てから、やっと解った。そのことを話しに二人はお庄のところへもやって来た。

芳村は旅の疲労やら、昨夜の騒ぎやらでめっきり顔に窶れが見えた。今朝友達の宿で飲んだ酒の気もまだ残っていた。

「それにしても可哀そうな女です。彼自身も思い設けない結果になってしまって――。」と、芳村はまだ女の心持を愍んでいた。

「それにしても随分ずうずうしいやね。」と、友達は芳村から聞いた昨夜の事情を、お庄や母親の前で話した。磯野とお増とが、芳村の顔を見ると、いきなり二人がそうなった動機を話して、芳村にも同情してくれろと言ったことや、お増が部屋にあったいろいろの世帯道具や夜の物、行李のなかの芳村の持物までを強請って、おおかた浚って行ったことなどが、憎さげに話し出された。

「それで磯野と一緒に出て行ったんですか。」と、お庄はあの部屋を出て行った二人の様子を心に描いた。

「それでも出て行くとなれば、あまりいい心持はしなかったろうがね。」と母親も傍から口を利いた。

「今度こそは、意地にも添い通して見せるなんて言って出ては行きましたがね、長持ちがするかどうかは疑問ですよ。