Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
七十七
笹村はそこに居たたまらなくなると、鳥打帽子に顔を隠して、やがて外へ出た。
七十七
そっちこっちへ手紙を出すのを仕事にしている女は、笹村のところへもどうかすると決り文句の手紙を男名で書いた。それがお銀の目にも触れた。それでなくとも、外から帰って来る笹村の顔から、その行き先を嗅ぎ出すくらいは、お銀にとってそんなむずかしいことでもなかった。そんな時のお銀の調子は、自分を恥じている笹村の心にとげとげしく触った。
「そんなものに関係なぞして、あなたは世間のいい笑いものになっていることを知らないんですか。深山さんでも誰でも、皆なそう言ってますよ。」
お銀はムキになって、その女のことを口汚く罵った。目の色も変っていた。
二日ばかり、外をぶらついて帰って来た笹村は、お銀の神経をそんなに興奮させる何物もないのがおかしかったが、相手の心持に理解のないお銀の荒々しい物の言いぶりや仕草には、笑って済まされないようなことがあった。
何事も投り出して、ペンと紙だけポケットへ入れて、ある日の午後不意に笹村が家を出た時、お銀は何にも知らずにいた。それまで二人は幾度となくはしたなく言い争った。